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中国進出の税務情報集
1.企業活動に関わる中国の税金
中国でビジネスを行う場合、主に以下の税金が課せられることになります。
(1)企業所得税
企業所得税はいわゆる日本の法人税にあたる税金で各納税年度の総収入から原価・費用・損失を控除した残高に対して課税されます。
①納税義務者
・居住企業
中国国内において設立され、又は外国の法律に従い設立されたが実際の管理機構が中国国内にある企業であり、居住企業は、その中国国内、国外の源泉所得について企業所得税を納付しなければなりません。
・非居住企業
外国の法律に従い設立され、かつ実際の管理機構が中国に存在しないが、中国国内に機構、拠点を設置し、又は中国国内に機構、拠点を設置していないが、中国国内源泉所得を有する企業であり、非居住企業は、中国国内源泉所得について企業所得税を納付しなければなりません。
②企業所得税税率
基本税率は25%です。また以下のような優遇税率があります。
・一定の条件を満たす小規模かつ低利益の企業には20%の優遇税率
・国家が重点的に支援する必要のあるハイテク企業には15%の優遇税率
(2)増値税
増値税は主に物品の販売を対象とする流通税の1つで、最終消費税が最終負担者となる付加価値税です。
いわゆる日本の消費税に近い税金です。
①増値税税率
一般物品の販売、輸入・・・17%
特定物品(穀物、食用油、水道、ガス、図書など)の販売、輸入・・・13%
②増値税額の計算
増値税の税額は、(売上高×税率)-(仕入高×控除率)により計算。
(3)営業税
営業税は課税対象となる事業、又は取引を行っている個人又は法人に対し、以下の業種に応じそれぞれの税率で営業税が課されます。
(営業税の対象業種と税率)
| 課税対象 |
税率 |
| 交通運輸業 |
3% |
| 建築業 |
3% |
| 金融保険業 |
5% |
| 郵便通信業 |
3% |
| 文化スポーツ業 |
3% |
| 娯楽業 |
5~20% |
| サービス業 |
5% |
| 無形資産譲渡 |
5% |
| 不動産販売 |
5% |
2. 中国駐在員事務所課税
外国企業が中国進出の足がかりとして用いられる進出形態で、将来の本格的進出のため、主に現地の市場調査などの情報収集、連絡業務の機能のための拠点であります。従来、駐在員事務所の多くは、免税あるいは、収入の無い事務所に対し、収入課税を適用することにより、実質課税額ゼロの状態が継続されていましたが、2010年に入り、中国当局による通達18号文書の公布により駐在員事務所課税が強化され、租税条約のPE(恒久的施設)に該当しない場合を除き、駐在員事務所に対しては、経費に対して課税されることになりました。
中国進出の形態
中国への拠点設置による進出形態には、以下の形態が考えられます。
1. 駐在員事務所
駐在員事務所(中国語で常駐代表機構と呼ばれる)は、外国企業が中国進出の足がかりとして用いられる進出形態で、主に現地の情報収集、連絡業務の機能のための拠点であり、中国現地での駐在員事務所による営業活動を行うことは禁じられております。
2. 支店
外国の法律に基づき、中国国外において登記・設立された外国会社が、中国国内で支店登録することにより拠点を設ける形態。いわゆる外国会社の中国支店という形態です。但し、実務的には、外国銀行と保険会社を除き、外国会社が支店を設立することは困難となっています。
3. 現地法人
出資の形態により、以下の現地法人の形態に分けられます。
合弁企業
合弁企業とは、外国側出資者と中国側出資者が、共同して設立した有限責任の共同出資企業です。
中国側パートナーがいることで、中国側の市場調査、販売ネットワーク、労務・人事ノウハウなどを利用し、中国ビジネスを効率良く進められるメリットがある一方、中国側との経営方針などをめぐってトラブルが生じることもあるというデメリットもあります。
独資企業
独資企業とは、中国国内に設立された外国投資者の100%出資の有限責任の企業です。
独資企業は、近年の中国進出形態の主流となっています。中国側のパートナーがいないことから、外国投資者の自由に経営を行うことができる反面、合弁企業で利用できる中国ビジネスに必要なノウハウを得られないというデメリットがあります。
合作企業
合作企業とは、基本的に中国側パートナーと契約によって当事者の権利義務を決める経営形態です。
投資規制上、一定の事業につき、合弁企業、独資企業の形態が認められにくい場合に多く用いられる進出形態で、法人格を有する法人型合作企業と、法人格を持たない非法人型合作企業があります。
シンガポール進出の税務情報集
1.企業活動に関わるシンガポールの税金
シンガポールでビジネスを行う場合、主に以下の税金が課されることになります。
(1)法人税
すべての法人(居住法人、非居住法人を問わず)について、課税所得に対して、一律17%
(賦課年度2009年までは18%)の税率の法人税が課されます。
(参考:アジア太平洋諸国の法人税率)
| 国名 |
日本 |
韓国 |
台湾 |
ベトナム |
タイ |
| 税率 |
30% |
22% |
25% |
25% |
30% |
| 国名 |
フィリピン |
マレーシア |
香湾 |
中国 |
インドネシア |
| 税率 |
30% |
25% |
16.5% |
25% |
28% |
上記から、シンガポールの税率は、アジア太平洋諸国の中でも低税率国と言うことが分かります。
(2)消費税
日本と同様、シンガポールにおいても、Goods and Services Tax(GST)と呼ばれる消費税が課されます。
①GST税率
2007年7月1日以降・・・7%
②GST課税対象
GSTの課税対象は、シンガポールにおいて、1.GST課税事業者が事業として販売した資産、及び提供したサービス、2.シンガポールに輸入された資産及び3.サービスの輸入です。
③GST税額の計算
GSTの税額は、日本の消費税同様に、課税対象の売上高×7%-支払ったGSTの税額により計算します。なお、シンガポールのGSTはインボイス方式(日本の消費税はアカウント方式)を採用しており、課税事業者がタックスインボイスを発行し、これを証拠として、仕入税額控除に利用することになります。(中国同様)
④メジャー・エクスポーター・スキーム(GSTの優遇税制)
シンガポール国内で輸入を多く行う輸出業者は、輸入時に消費税が課税され、一方、輸出は輸出免税となるため、後日払った輸入消費税の還付を受けることになります。後日還付を受けるとはいえ、輸入時に支払うGSTは、業者のキャッシュフローの負担になります。税務当局へ申請・承認の上、「メジャー・エクスポーター・スキーム」という制度により、輸入時のGSTが免除されます。
シンガポール進出の形態
シンガポールへの進出形態には、以下の形態が考えられます。
1.駐在員事務所
中国同様に、駐在員事務所は、外国企業が進出の足がかりとして用いられる進出形態です。その活動はシンガポールの公的機関であるInternational Enterprise Singapore(IE Singapore)の定める規則によって制約を受けます。主な業務は中国の駐在員事務所同様に、販売促進、連絡業務及び情報収集に限定されています。
2.支店
外国会社が、現地法人を設置するのではなく、シンガポール支店を設置して、シンガポールで事業を行う進出形態です。中国とは違い、ほとんどの業種は現地法人として営業することも、外国会社の支店として営業することもできます。法人税率は、シンガポール法人も外国企業の支店も一律17%ですが、非居住法人とみなされる支店の場合、租税条約に基づく軽減税率、外国法人税の税額控除(一部適用可)などの規定の適用が受けられません。
3.株式有限責任会社(現地法人)
シンガポール進出で最も一般的な進出形態が、株式有限責任の子会社を設立する方法です。株主数20名以下であり、かつ株主が全て個人である会社は、エグゼンプト・プライベート・カンパニーといい、会計監査人による監査が免除される等の特典があります。
また株主有限責任会社は支店とは異なり、居住法人とみなされ、租税条約、外国税額控除の適用を受けることができます。
4.パートナーシップ
個人事業者の連合体であり、法人格を持たず、各パートナーは無限連帯責任となります。また有限責任のもとでのパートナーシップとしは、法人格を有するLLPがあります。
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