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上田所長インタビュー


顧客の笑顔が業務拡大の原動力

 

~パソコンを武器に未来会計を推進する~

 

上田公認会計士事務所所長 上田 曽太郎


コンピュータの発展によって、どの業種でも仕事の内容は変わりつつある。
システム・コンサルティング経験者の上田所長は、そのメリットを最大限に活かし、
会計事務所の業務の概念を変えることに挑戦し始めた。

- 上田所長は、コンピューターのシステム・コンサルティングもお得意だそうですが。
上田 実は独立までの九年間、システム・コンサルティングをしていたんですよ。
- 公認会計士になってからですか?
上田 ええ。資格を取って4年間は、等松、青木監査法人(現・監査法人トーマツ)に勤めていましたが、ちょうど、子会社にシステム・コンサルティング会社があったので出向させてもらいました。
- どうして違うご職業に?
上田 監査の仕事って、すごく地味なんです。学生の頃は外部の人間が大きな会社に対して監査する形に魅力を感じ、若い人の表現を使えば「カッコイイ」と思い、会計士を目指したんですが・・・。
- ところが実際は?
上田 最初は、いろんな会社・業種が見られたり、お金の流れのチェックを通じて、ビジネスがどういう形で動いているかが理解でき勉強になりましたが、実際の仕事は、伝票にと領収書の付け合せの連続。コモン先は大手企業が多かったので、2~3週間も連続でそんなことをするため、4年もやっていると、すっかり飽きて、他の仕事がしたくなりました。
- コンピューター関連に絞ったのは?
上田 コンピューターのEDP監査を担当したことがきっかけです。経営レベルから現場レベルまで、それぞれのニーズに合った情報を即座にアウトプットできるコンピュータは凄いと思いました。情報の価値が認められつつある頃で、ぜひ、この分野で働きたいと考えるようになったのです。まだ、IBMの汎用機が中心で、プログラミングに、磁気テープや、カードを使っていた時代です。
- 実際にはどんなお仕事を?
上田 プログラマーから、SE(システム・エンジニア)、最後はマネージャーになり、主にリース会社の担当を。
- 会計関係のシステムですか?
上田 いえ。一つのシステムを組むわけですから、財務会計だけではなく、請求・支払いをはじめとした営業担当まで全ての仕事を担当します。一つのシステムを組むのに、当時の大型機だとだいたい3~4年かかりました。
- 大変な作業ですね。
上田 その会社の業務を一つ一つヒアリングし、コンピュータに落とし込んでいくわけですからね。しかし、それによって、経営システム全般がわかるという大きなメリットがありました。
- 独立されたのは?
上田 もともと独立指向は強かったんですが、バブルが弾け、コンピューター関連産業は不況に入り、手がけていたジョブもちょうど終わったので・・・。
- 再び、会計の世界に?
上田 とはいっても、9年間もこの業界を離れていたので、全くゼロからのスタートでした。幸いシステム関連のお客さんから仕事を頂き、何とか一年半は食べられる目処がついたので、その間、顧客開拓をしようと思いました。
- 不景気で大変だったのでは?
上田 ええ。普通、お付き合いのある会計事務所を代えることはありませんから、新しい会計事務所は新規設立の会社と取り引きするのですが、不景気で新しい会社は増えませんからね。
- 顧問先の開拓はどのように?
上田 まず、異業種交流会に三つはいりました。TCバータークラブも、その一つです。まず、毎回出席して親しくなることから始めましたが、営業の経験がないから人付き合いがよくわからない。当時を知る人から、背はガチガチだったねと言われます(笑)。そうした人脈の紹介もあり、システムの仕事をした時点で20件弱、現在で30件弱の顧問先を担当するようになりました。
- 独立開業して2割も残らないといわれる税理・会計事務所業界で、着実に顧問先を増やされたポイントは?
上田 まず第一は、交流会等、営業にかなりの時間を割いたこと。二つ目は、未来会計に力を入れたことです。
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- 未来会計ですか?
上田 独立前後に会計事務所からヒアリングする中で、今後は記帳代行だけでは生き残れない事がわかりました。
記帳代行とは、過去の実績を数値であらわすだけで、いわば過去会計になるわけです。それに対して、今後の事業展開を数値化して目標設定をなし、達成するお手伝いをすることが未来会計です。
例えば、3年後はどんな会社になるのか、売り上げは?従業員数は?といった目標を設定し、それに基づいて一年間の事業計画、月別の計画、また、経費とか売り上げ構成とかの目標を出していき、それを実行してもらい、月々の実行を評価。このPLAN(計画)、DO(実行)SEE(評価)を半期とか年間といった節目でやっています。
こうした予算に対する実績を評価する予実管理が重要ですし、急に申告を出されて、月末までに税金を納めてくれと言われても青くなることもなくなります。
- それが未来会計なのですね。
上田 その部分に時間を割きたいので、記帳代行はできるだけしないようにしています。幸い、今はどこの会社もパソコンが入っているので、会計ソフトを組み込めば自計化が可能ですし、その使用方法に対するアドバイスはします。
最近は不定期ですが、顧問先フォーラムも開催し、インターネットや資金繰り等の弁供養会や顧問先同士の交流の場になっています。
今後も経営者のニーズにどんどん応えていくつもりです。

子供の名前に遼太郎と名づける程、司馬遼太郎の歴史小説が好きだったが、
経営者になって、一層、興味が深まったという。 過去を分析しながら未来を見つめる歴史的視点が、上田さんの会計学の原点なのかもしれない。

BARTER PRESS Vol.109より